パワー浜松ロータリークラブ設立趣意書

 日本の20世紀は、黒船という外的な刺激から生まれた明治維新による富国強兵の50年と、第二次世界大戦敗戦の後の驚異的な経済復興の50年に集約されています。21世紀に入った日本は、黒船や敗戦という大きな変動を経ず、疲弊した社会システムの延長上に次の時代を作るという新しい取り組みをしなければならない状況にあります。国際的な競争と協調の流れの中で、日本の競争力を支えた製造業をはじめとする企業も空洞化の兆しをみせ、国の成り立ちも構造的な改革の必要に迫られています。
 そのような時代背景の中で、浜松を中心としたこの地域に国際ロータリーの中の組織として、新しいロータリークラブを設立したいと思います。1905年にスタートしたロータリークラブが、翌1906年に最初に定款として掲げた3つの綱領である、「事業関係の促進」「良き同胞精神の促進」および「地域社会の最善の利益関係の増進」を原点とて捉え、21世紀にふさわしい、社会的役割を持ち、効率的な組織運営を目指すクラブを作ります。

1 目 的

 ロータリーの原点が、よりよい仕事をするための研鑽や仲間作りから始まっていることを踏まえ、新しいロータリークラブの目的を以下の3つとします。
 第一には「仕事を伸ばす」です。パワーロータリーの活動を通して職業倫理を高め、自己研鑽と人脈の育成を行うことによりメンバーの関わる職業上の業績が伸びれば、結果として地域社会に大きな貢献をなすことができます。それは一般的な収益を生み出す企業活動だけでなく、政治、行政サービス、教育、芸術などすべての面において直接的に社会への還元を可能にします。企業活動としては付加価値、利益、社員数など、どれかについて目標をもち、その数値を大きくすることは、その会社自身の「利」となるだけではなく、納税や雇用の確保による社会活動の発展に伴い、地域、ひいては日本にとっても大きな「益」をもたらします。それこそが最も大きな社会的な奉仕・貢献だと確信します。
 第二は「交流を広める」です。仕事を伸ばすため、まずクラブ構成メンバーが相互に刺激しあえる場をクラブが提供します。若い、現時点で脂の乗った仕事をしているメンバーを集めるだけでなく、十分に社会的成功を収めた経験豊富なメンバーにも参加いただき、バランスの取れたクラブにしたいと思っています。毎回有益な情報を持った仲間が集まり、その場において相互に能動的に意見を交換することにより、各個人の会社にも利を持ち帰ることができ、また相互の信頼関係も生まれてきます。また新クラブ内だけでなく、静岡の各クラブとの交流や、日本全体、世界との広域的な交流も積極的に行います。ロータリー活動を通して常に広い視野と世界観を持てるようなクラブを目指します。
 第三には「活動を通して人格の向上を図る」ことを目標とします。クラブは先端の技術を用い、柔軟なアイデアを駆使し、できるだけ合理的で効率的な運営を行います。その中で、常に社会貢献への大きな目標を持ち、パワーにあふれるメンバーとの交流を通し、社会的公平、平等を意識した活動を行うことにより、自分自身の人格向上も目指します。

2 名 称

 大きなポテンシャルを持ったメンバーが相集い、力をあわせることにより、この新ロータリークラブは社会に大きな貢献をしたいと思います。その意味をこめて本ロータリークラブを「パワー浜松ロータリークラブ」と名づけます。

英語名:The Rotary Club of Power Hamamatsu
略称:パワー浜松ロータリー、パワーロータリー、パワー浜松、PRC

3 試 み

 仕事と交流という面を考えたとき、新クラブでは三つの新しい試みを行います。第一は「早朝例会」です。例会を毎週火曜日、朝7時半から8時半にアクトオークラホテルで行います。世界は24時間動いています。この時間帯であれば、仕事への影響も少なく、他のクラブや特に浜松以外の地域や海外から出張で訪れるメンバーのメイキャップも容易になり、交流という目的にも合致するはずです。東京や大阪ではいくつものホテルで、パワーブレックファーストをとりながらの勉強会が行われています。そんなイメージのロータリーとして、企業戦士、公的団体の専門家や大学の先生などもメンバーとして受け入れ、仕事につながる新クラブとしての活動を行います。第二は「インターネット例会」です。通常の例会については出張先などからインターネットで参加可能にしたいと考えます。また月の例会のうち2から3回をインターネットのみによる例会(オンライン例会)にします。オンライン例会をすることにより出張先からの参加だけでなく、海外からの参加、交流も期待できます。またデジタルデバイドな経営者にならないためにも、外の活動でコンピュータをフルに使いこなす機会をもつことが必要であると思います。第三は「能動的例会」です。外部からの講師だけでなく、メンバー自らが講師となって会のメンバーへの情報を提供します。またそれを少人数のテーブルごとのディスカッションで行うことにより、参加者全員が話す時間を十分持ち、一方通行でない情報の共有の機会を例会の中で提供します。

4 奉仕の理想

 22世紀の子供達が平和で快適な未来を迎えることができるように、メンバー各々の基盤を伸ばし、奉仕の理想を求め、真に有益な社会活動を実践するため、21世紀の浜松に最初に生まれるロータリークラブチャーターメンバーとしての誇りを持ちながら、全メンバーの合意と協力のもとに、新しい取組みを含めた活動に積極的に取り組みたいと思います。

パワー浜松ロータリークラブ 
2002年10月22日